毎日スマホをどれだけ見てますか・・・
ソファに座って、少しだけスマホを見る。ニュースを読んで、SNSを眺めて、気になった動画を何本か再生する。
体を動かしたわけでも、難しい仕事をしたわけでもない。それなのに、スマホを置いた瞬間、どっと疲れを感じることはありませんか。
休憩していたはずなのに、頭がすっきりしない。楽しい投稿も見たのに、なぜか気持ちが落ち着かない。そんなときは、画面を見ていた時間の長さだけでなく、受け取った情報の中身にも目を向けてみるとよさそうです。
今回は、スマホで疲れを感じる理由と、無理なく付き合うための工夫を考えてみます。
休んでいるつもりでも、情報は次々に入ってくる
スマホの中には、まったく違う種類の情報が並んでいます。
友人の旅行写真の次に、気の重くなるニュース。その下には、おいしそうな料理動画や仕事の連絡。指を少し動かすだけで、目の前の話題は次々と変わります。
そのたびに私たちは、「これは何だろう」「自分に関係があるかな」「続きを見ようかな」と、小さな判断を重ねています。
もちろん、情報を見ること自体が悪いわけではありません。役立つ知識が見つかったり、誰かの言葉に救われたりすることもあります。
ただ、体を休めることと、情報を受け取る手を止めることは、同じではありません。座って過ごしていても、気になる話題を追いかけ続けていれば、落ち着く時間を持てない場合があります。
この記事では、こうした情報との付き合いで感じる疲れを、日常的な表現として「情報疲れ」と呼びます。特定の病名を指す言葉ではありません。
スマホを見ているだけで疲れるのはなぜ?
話題が変わるたびに、気持ちも動いている
楽しい動画で笑った直後に、腹立たしい投稿を読む。その次には、将来が不安になるようなニュースが流れてくる。
短い時間でも、気持ちが忙しく動くことがあります。
とくに、答えの出ない議論や強い言葉が並ぶ投稿は、画面を閉じた後も気になるものです。「あの言い方はどうなんだろう」と考えているうちに、休憩時間が終わってしまうこともあるでしょう。
見ている最中の面白さと、見終わった後の心地よさは、必ずしも一致しません。疲れを感じた日は、どれくらい見たかに加えて、何を見た後に疲れたのかを振り返ってみてください。
人の暮らしと、自分の日常を比べてしまう
SNSを開くと、充実した休日や仕事の成果、きれいに整えられた部屋が目に入ります。
一つひとつは誰かの喜ばしい出来事です。それでも、いくつも続けて見ていると、「自分は何もできていない」と感じることがあるかもしれません。
けれど、投稿に写っているのは、その人の暮らしの一部分です。写真の外側にある失敗や、何もせず過ごした時間までは見えません。
頭では分かっていても、疲れている日は比べてしまうもの。そんなときは、無理に前向きに受け止めようとせず、いったん閉じてよいのだと思います。
目を使い続ける負担もある
気持ちの問題だけでなく、画面を見続けることによる目の負担も考えられます。
米国眼科学会は、デジタル機器の使用中はまばたきが減りやすく、目の乾きや疲れにつながると説明しています。小さな文字を追い続けたり、見づらい画面をのぞき込んだりしていないか、使い方を見直すことも大切です。参考:米国眼科学会
「情報を見すぎたせい」と一つに決めつけず、目の疲れや睡眠不足なども含めて考えてみましょう。
情報疲れに気づくための、小さな振り返り
スマホを使った後、次のようなことはないでしょうか。
- 調べ物は終わっているのに、別の投稿を見続けている
- SNSを閉じた後、自分の生活が物足りなく感じる
- 休憩したつもりでも、気になる話題が頭から離れない
- 眠るつもりが、動画を見ているうちに遅くなる
これは診断のためのチェックではありません。一つ当てはまったからといって、問題があるとも限りません。
大切なのは、「今の使い方で、自分は休めているかな」と確かめることです。利用時間が短くても気持ちが沈むなら内容を、長くなって困るなら終わり方を見直すなど、困りごとに合わせて工夫できます。
今日からできる、スマホとの付き合い方
1.開く前に、用事を一つだけ決める
「天気を確認する」「友人に返信する」「電車の時刻を調べる」。
スマホを開く前に、用事を一つ言葉にしてみます。用事が終わったら、そのまま閉じる。単純ですが、別の情報へ流れていく前に区切りをつけやすくなります。
もちろん、目的もなく楽しむ時間があってよいのです。その場合は「お茶を飲んでいる間だけ」など、自分で納得できる終わりを用意してみましょう。
2.通知は、必要なものから残す
通知が届くと、確認するつもりがなくても気になります。開いてみたら急ぎではなく、そのまま別の投稿まで見ていた、ということもありますよね。
まずは、買い物アプリのお知らせやSNSの反応など、すぐに知る必要のない通知を一つ減らしてみてください。
家族からの連絡や仕事に必要なものまで、まとめて切る必要はありません。「すぐ知りたい情報は何か」を考えると、自分に合った設定を選びやすくなります。
3.画面から目を離す休憩を入れる
スマホで疲れたとき、別の動画を見るだけでは、目を使う時間が続きます。
ときどき画面を置き、窓の外など遠くを眺めてみましょう。米国眼科学会は、休憩の目安として、20分ごとに約6メートル先を20秒間見る「20-20-20ルール」を紹介しています。参考:米国眼科学会
きっちり時間を測ることが負担なら、まずは一つの記事を読み終えたときなど、区切りごとに目を離すところから。立ち上がってお茶をいれる時間も、画面から離れるきっかけになります。
4.寝る前は、終わりのある過ごし方にする
短い動画やSNSは、次の情報が次々と出てきます。「これで最後」のつもりが、なかなか終われないこともあるでしょう。
夜は、スマホを充電する場所に置いてから歯を磨くなど、寝る支度と結びつけて区切る方法があります。代わりに読むなら短い随筆を一編、音楽なら数曲など、終わりが見えるものを選ぶのも一案です。
米国国立心肺血液研究所も、健康的な睡眠習慣として、就寝前の1時間を静かに過ごし、テレビやパソコン画面などの明るい人工光を避けるよう勧めています。参考:米国国立心肺血液研究所
5.見ない情報を、自分で選んでみる
何度も見てしまうけれど、見終わるとつらい。そんなアカウントや話題があれば、ミュートやフォローの見直しを使ってみてもよいでしょう。
世の中の出来事を、すべて追いかけることはできません。ニュースを確認する時間を決めたり、読む媒体を絞ったりするだけでも、生活の中に区切りを作れます。
大切な情報まで遠ざける必要はありません。今の自分に必要なものを選ぶ。そのくらいの気持ちで十分です。
スマホを置いた後に、何が残るか
スマホは、離れた人とつながり、知らなかった世界に出会える便利な道具です。使って楽しかった、助かったと思える時間も、たくさんあるはずです。
だからこそ、利用時間だけで良し悪しを決めず、置いた後の自分に目を向けてみませんか。
気持ちが軽くなったのか。それとも、少しざわついているのか。その違いは、次に何を見るかを選ぶ手がかりになります。
今日は、休憩の最初の5分だけスマホを置いてみる。温かいお茶を飲んだり、窓から空を見たりする。何かを学ばなくても、誰かに見せなくてもよい時間です。
疲れが長く続く場合や、目の痛み、眠れない状態などが気になる場合は、スマホだけが原因と考えず、医療機関に相談してください。
次の情報へ進む前に、少しだけ自分の調子を確かめる。そのひと呼吸から、心地よい付き合い方を探していきましょう。

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